金(ゴールド)への投資は、資産防衛の観点から見ても、なかなか面白いです。
(※検索エンジンから本記事に来た方は、「はじめて来た方へ~当サイトについて」、ひとつ前の記事「外貨預金:財政破綻対策の選択肢(1)」などもあわせてご覧いただいたほうが、スムーズに理解できると思います。)
人はなぜ金(ゴールド)を欲しがるのか?
そもそも、ゴールドとはなんなのでしょうか。
たとえば株だったら、持ってれば配当金をもらえます。
債券もたいていは利息がつきます。
でも、ゴールドには何もつきません。
持っていてもピカピカきれいなだけで、配当金も利息ももらえません。
では、いったいなぜ人はゴールドを持つのでしょうか。
正解は・・・きれいだからです。
「んなアホか!きれいだから買われるなんてそんな理由があってたまるか!」と言いたくなるでしょう。
すみません。ちょっと冗談言いました。
ただ、実際のところ、半分以上は冗談ではなく本当なんです。
ゴールドの本質的な価値は、ほしがる人が多いということです。
なんかピカピカしてて、妙な魅力があります。
ただ、きれいなものなら、他にも様々なものがあります。
ゴールドの場合、きれいであることの他に、耐久性があることや、加工しやすいことも人気の理由です。
ゴールドは錆びません。
落としても割れませんし、切ったりはったりと加工もしやすいです。
これは、他の宝石ではなかなか難しいです。
さらに、ゴールドには希少性もあります。
これまで人類が採掘したゴールドは、50メートルプールわずか3.5杯分程度です。
おまけに地球に埋蔵されている残りのゴールドはプール1杯分くらいであり、しかもこのうち大部分は採掘困難な場所にあります。
加えて、匿名性もあります。
よくデジタルゴールドと呼ばれるビットコインには、匿名性がありません(トランザクションを追跡すれば所有者が誰かわかる)。
一方、ゴールドには匿名性があります。
これらの理由により、人はゴールドをほしがります。
価値は、皆がほしがるところに生まれます。
ゴールドをほしがる人が多く、皆がそれに価値を認めるから、価値が生まれるのです。
ある意味、共同幻想の上に成り立っているともいえます。
資産防衛の観点からゴールドが有効である理由
では、なぜ資産防衛の観点から、ゴールドが有効なのでしょうか。
ゴールドの強いところは、世界中の投資家が「ゴールドはインフレに強い」という認識を持っていることです。
ゴールドには、インフレ時に値段が上がってきた歴史があります。
たとえば、1960年代半ばから1980年代まで、アメリカをはじめ世界各国で、インフレが進みました。
そんな中、ゴールドはそのインフレ率を上回り価格が上昇しました。
このような歴史が積み重なり、ゴールドはインフレに強いという認識を皆が持つようになりました。
金融資産は、みんなが買えば上がります。
皆がゴールドはインフレに強いと思っているから、インフレ時にゴールドが買われ、値段が上がるのです。
ある意味、予言が自己成就しているともいえます。金融資産とは、そういうものなのです。
インフレ時にゴールドが買われてきたという歴史を考えると、資産の一部をゴールドとして持っておくのは、インフレ対策として悪くない選択肢でしょう。
(購入方法などの詳細は、こちらの「金(ゴールド)の購入」という記事で説明します)。
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