ビットコインはまだ出てきて新しいものですが、財政破綻対策として使える可能性があります。
ビットコインとは、暗号通貨のひとつです。
ただ、ビットコインや暗号通貨自体はかなり難しい理論に基づいており、詳しく説明するとそれだけで本が一冊書けるくらいになります。
(※検索エンジンから本記事に来た方は、「はじめて来た方へ~当サイトについて」、ひとつ前の記事「FX:財政破綻対策の選択肢(3)」などもあわせてご覧いただいたほうが、スムーズに理解できると思います。)
ビットコインを持つ問題点
まず、ビットコインを持つ問題点について説明します。
大きくは、次の3つです。
1.ハッキングされて盗まれたときに、お金が戻ってこない
1点目について。ビットコインは、万が一盗まれたときにお金が戻ってこないという問題があります。
ビットコインは性質上、仮にウォレット(ビットコイン版の財布のようなものです)や取引所にお金をおいておいたとき、第三者にハッキングされてお金をどこかに送金されたら、手のうちようがないのです。
もちろん、公的な預金保護制度のようなものもありません。
いったん盗まれたら、盗まれたビットコインがどこに行ったのか突き止めることはできないし、取り戻すこともできません。
これが銀行預金やクレジットカードなどと違うところです。
「なら分別管理すればいいじゃん」と言う人もいるでしょう。
たとえばFX会社には、分別管理という仕組みがあります。これはざっくり言うと、FX会社が顧客から預かった資金を、信託銀行に預け信託するという仕組みです。
これによって、仮にFX会社が倒産したとしても、顧客の資産は守られます。
しかし、暗号通貨であるビットコインは、技術的に、100%安全に信託することができません。
誰かに信託したとしても、信託された側のセキュリティが破られて盗まれたら終わりなのです。
追跡しようにも、どうしようもありません。
最近はセキュリティも以前よりは高くなっていますが、それでもなお万全ではありません。
このような問題点があるので、たとえば資産の大半をビットコインにつぎこむといったことは、絶対にダメです。
もしビットコインを保有し続けたい場合、最悪なくなっても何とかなるくらいの金額でやってください。
2.決定的な理論価格が存在せず、価格の予想がきわめて難しい
2点目について。ビットコインには価格の予想がきわめて難しいという問題があります。
たとえば株ならその会社の商品を使ってみたり、決算書を読むなりして将来を予想することができます(外れることも多々ありますが)。
企業の本質的価値がいくらなのかを考え、それと株価の間で乖離があれば、いずれ本質的価値のほうに収斂していく傾向があります。
また、FXなら経済学やチャートを勉強するなどして、先読みの精度を上げることができます(とはいえ、なかなか難しいですが)。
しかし、ビットコインには決定的な理論価格がありません。
基本的には、買い手と売り手の需給バランスで価値が決まります。この需給を読むのが本当に難しいのです。
今から2倍になるかもしれませんし、半値以下に暴落するかもしれません。
もしかしたらビットコインについて技術的な点まで深く理解すれば予測できるのかもしれませんが、普通の人がビットコインの理論価格を予測するのは不可能でしょう。
ビットコインのメリット
次に、ビットコインのメリットについて説明します。
ビットコインには、次のようなメリットがあります。
1.海外へ直接送金可能である
2.国家とは関係がなく、財政危機時の資産逃避先として有用である
3.パソコンやスマホを使い、一瞬で送金できる
ビットコインを使うと、海外に、格安で送金できます。海外送金の手数料を減らすのに、有用である可能性があります。
また、ビットコインは暗号通貨であり、国家が発行しているものではありません。
こういう特性があるので、財政危機がおきたときの備えとして、ビットコインは検討に値します。
ビットコインの買い方など、詳しくは後ほど説明します。
次の記事は「固定金利の借金:財政破綻対策の選択肢(5)」になります。ご覧いただけましたら嬉しいです。