資産防衛

ロボアド(ロボットアドバイザー):財政破綻対策の選択肢(8)

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ロボアド(ロボットアドバイザー)なるものが、最近出てきました。

(※検索エンジンから本記事に来た方は、トップページの「当サイト全体の目次」や「はじめて来た方へ~当サイトについて」、ひとつ前の記事「日本株・投資信託:財政破綻対策の選択肢(7)」などもあわせてご覧いただいたほうが、スムーズに理解できると思います。)

ロボアドとは何か?

ロボアドとは、一言で言うと、人工知能を使った資産運用サービスです。

「お金をロボアド会社に預けたら、ロボアド会社が人工知能を使い、自動的にそのお金を株・債券・海外資産などさまざまな金融商品に投資し守ってくれる」といううたい文句でサービスを提供しています。

ロボアド会社に登録すると、まず資産を守っていく方針について、いろいろアンケートを聞かれます。

このアンケートでは、顧客の年齢や希望する投資方針、リスク許容度などを調べています。

それに回答すると、ロボアド会社のコンピュータがその方針に従い、過去のデータなどをもとにプログラムを作ります。

あとはお金をロボアド会社に預けると、そのプログラムに従い、あなたのお金が自動的にいろんな金融商品に投資されます。

その対価として、ロボアド会社は手数料を取ります。

ロボアドのメリット

次に、ロボアドのメリットを紹介します。
ロボアドには、次のようなメリットがあります。

1.人手を介さないので手数料が安くなり得る点

従来、金融機関やファイナンシャルプランナーなどがやっていたことを、ロボアドのコンピュータが資産の配分方法を機械的に計算してくれます。

ですので、従来の資産管理サービスに比べ、低コストで同程度のサービスを利用できる可能性があります。

2.海外資産への投資が容易である点

財政破綻した場合に備え、海外資産への投資をするという選択肢がありますが、少し大変です。

この点、ロボアドを使うと自動的に海外資産に投資してくれるというメリットがあります。

3.リバランスをしてくれる点

金融商品を投資していると、値段の上下動などに伴い、その金融商品を多少売ったり買ったりして調整する手間が生じます。これをリバランスと呼びます。

この点、ロボアドはこのリバランスの作業を自動的にやってくれます。

ロボアドのデメリット

次は、ロボアドのデメリットを3つ書いてみます。

1.顧客の投資方針、リスク許容度を正確に把握できるか不透明な点

ロボアドに登録する前に聞かれるアンケートが、微妙な内容なのです。

主に投資初心者を対象にしているので仕方ないのですが、これで本当に顧客の投資方針やリスク許容度がわかるの??といわざるを得ないような大雑把すぎる内容です。

たとえば海外ETFだけに投資してほしいとか、何か思うところがあったとしても、今のところそういうことはできません。
あくまでロボアド会社が顧客に聞く質問へ回答し、それを元にロボアドが出した人工知能プログラムに従って売買することになります。
内部でどういうロジックで動いているのか、外からだと正確にはわかりませんし、細やかな顧客の投資方針やリスク許容度を指定することもできません。

そのロボアドの人工知能が、どのくらい性能がよく、どれだけしっかりと顧客の資産を守り、増やすことができるのか、評価することが非常に難しいのです。

(とはいえ、これには長所である簡便さの裏返し的な側面もあります。
なお、ロボアド各社は、人工知能がどのように動いているかというアルゴリズムの正確な内容を公開していません。公開すると他社に真似されてしまうので当然といえば当然です。)

 

2.本当に資産が守れるかわからないのに、できると誤解させがちである点

どんな投資をするにせよ、将来を正確に予測することは不可能です。

ロボアドが提供するプログラムも、あくまで現時点でのデータに基づく推計にすぎません。

 

しかし現実には、「何もせずとも、ロボアド会社にお金を預けると、人工知能で資産が守られたり増やせたりする」みたいに誤解されがちな面があります。「人工知能」という単語がマジックワードで、なんかよくわからないけどすごいと思わせがちなのです。実際は非常にあやふやなものなのですが。

この誤解を利用し、顧客を勧誘する動機やインセンティブがロボアド会社にはあります。

ロボアドが一足早く普及しつつあるアメリカでも同じような問題が起きており、規制が強化されそうな雰囲気になっています。

 

3.消耗戦になったり、差別化できなくなる可能性がある点

ロボアドの今後を考えるにあたり、おそらくもっとも重要となる点は、「資産が増えるシステムを提供できるか」ということでしょう。

お金を預けようとする人が本当に求めているのは、預けたお金が守られ、増えることです。これが本音です。

なので、たとえばロボアド会社が強力で儲かる人工知能を提供することに成功すれば、申し込みもぐっと増えるはずです。「うちに預ければ儲かりますよ」というセールストークが使えるようになるからです。

 

ただ、人工知能開発で戦うとなると、人材も資金も豊富な大手クオンツファンドのガチ勢との正面勝負になります。
競争環境はおそらくかなりきつく、手数料勝負の消耗戦になりかねません。

そうならなかったとしても、各社のストラテジーが似たり寄ったりのサービスになっていき、差別化できなくなっていく可能性もあります。

現時点では微妙だが、今後どうなるか見る価値はある

以上のように、ロボアドにはメリットとデメリットがあります。

ロボアドはまだ出てきたばかりで、検証できるデータが少ないです。
なので、財政破綻対策としてどれだけ使えるのか、現時点ではなんともいえません。

ただし、今後非常に使えるサービスになる可能性があるので、今後も継続的にウォッチしていこうと考えています。

 

なお、ロボアドは、現状ですら、金融機関が売っている大半の投資信託よりはマシです。そういう投資信託を買うくらいなら、ロボアドを買ったほうが良いと思います。

(次の記事は「日本円の現預金・日本国債空売り:財政破綻対策の選択肢(9)」になります。ご覧いただけましたら嬉しいです。)

 

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